2015.11.10
OLIVE HARVEST
10月の中旬から4回ほどに分けて、畑のオリーブの収穫をしました。ハマキムシなどが実のなかに入って穴を開けられてしまったものや、ひび割れてしまったもの、傷が多くついてしまったものなどを取り除いていくと、やはり手元に残るのは全体の80〜85%くらいでしょうか。やっぱり良い実を穫るのは思う以上にむずかしいな。でもこの先2〜3年は、樹の状況も収穫したあとの漬け加減も、全部実験だと思っていろいろ試してみようと思っています。
樹の方は、実をつけたあとも樹勢が衰えないもの、衰えてしまったけど実を取ったことで復活しつつあるもの、そして樹の大きさに対して実をつけ過ぎたのか、だいぶ衰えてしまっているもの、いろいろあります。元気なのはそのままにしておけばいいのだけど、いまだ樹勢が戻らないものについては特に重点的に観察していこうと思っています。もしかしたらきっちり剪定してあげる必要があるかもしれません。
あと、今年実をつけていない樹が2本あります。他の個体とは違う植え方をした2本です。両方とも幹は太くなってきたので、もしかしたら栄養がありすぎるのかもしれません。日本の弱酸性の土はヨーロッパの弱アルカリ性の土と比べて栄養が豊富らしく、木の方にばかり栄養が取られてしまうことが多いようです。この11〜12月は今年伸びた枝に来年の花芽がつく時期なので、その辺りもじっくり観察していきたいです。
今年いままで収穫した実は、すべてスペインでおこなわれているという伝統的な塩漬けの方法で漬けてみています。3〜4%の塩水で2週間、毎日渋抜きしたあと、6〜10%のお好みの塩加減の塩水でさらに漬け込みます。10%だととっても塩辛いと思いますが、保存性を高めるなら濃い塩分濃度に設定しておいて、あとで塩抜きするのもアリです。いろいろパーセンテージを変えて、一番自分たち好みのものを見つけていこうと思っています。本漬けしてから2カ月以降したら食べれるそう。クリスマスに間に合うかな?
そして、もう一回分くらいはまだ実を樹に残しています。これらは完熟させて、種を抜いて、メープルシロップに漬け込もうと思っています。完成は1年後、美味しくなるのは2年後以降だそうで、長い道のりですが、長い間漬け込まれた実はドライフルーツのような濃厚なテイストが口のなかに広がります。
世の中に多く出回る苛性ソーダで瞬時に渋を抜いた新漬けですが、仮に強力なアルカリに傾いたpHを中性に戻せて、生態に影響のないかたちで排水できるのなら考えてみてもいいかもしれません。そこも勉強していかないとです。
さて、味の方はどうなるでしょうか?! 年末に乞うご期待です。